2013年2月19日火曜日

言葉のぷれぜんと 岡部伊都子

 

言葉のぷれぜんと
岡部伊都子 著
昭和33年5月初版
創元社

::: 私物 :::









 ◇ 装幀 / 松岡寛一(洋画家) ◇

いちごがぽつんぽつんと並べられた愛らしい小さな本。
いまから50年以上も前の本なので、カバーもところどころ擦り切れていますが、大切にしている本です。いちごの装幀と「言葉のぷれぜんと」というタイトルに惹かれて購入したもので、これをきっかけに岡部伊都子さんの著作を少しずつ読むようになりました。

本書は、著者が昭和29年より4年間つとめたABC朝日放送、朝のラジオ番組「四百字の言葉」の原稿を一冊にまとめたものです。
日々の暮らしの中で気づくささやかなしあわせ、人と人とのかかわり、心の持ちようなど、一日に一枚、原稿用紙一枚におさめられた「四百字の言葉」。
帯には、「毎日の生活を明るく楽しくする 四百字の言葉」とあります。
ページのどこを開いても、優しく慈愛に満ちた美しい言葉で心をぽっと温かくしてくれる本です。

私はラジオが大好きで、家にいるときはずっとラジオをつけています。この本を手にとるたびに、昭和30年代に軽快なハモンドのリズムにのせて毎朝放送されていたこの「四百字の言葉」がどんな番組だったのだろうかと想像しています。

この番組は、第一集「おむすびの味」、第二集「続・おむすびの味」、第三集「蠟涙」、第四集「言葉のぷれぜんと」と、4年分4冊にまとめられています。
いずれの新書も、第四集の「言葉のぷれぜんと」以外は比較的入手しやすい本で、その後出版された単行本「抄本 おむすびの味」もあります。