2013年2月17日日曜日

暮しを紡ぐ / すてきな一日の時間割 / クニエダヤスエ



暮しを紡ぐ
クニエダヤスエ 著
じゃこめてぃ出版
1984年1月初版

::: 私物 :::











色とりどりのきれいな糸が並んだ美しい装幀です。
この素敵な装幀は、70~80年代のメンズ雑誌ポパイや絵本アイビーボーイ図鑑などでも知られるイラストレーターの穂積和夫氏によるもの。

クニエダヤスエさんは、たくさんの暮らしのエッセイを出版されていますが、本書では、帽子デザイナーやテーブルコーディネーターとしての仕事のこと、カメラマンのご主人と息子さんとの生活のことなど、プライベートでのお話がメインです。
5冊目に出版された本「暮しのおしゃれをあなたに」の前文の「暮しが好きなんです。ちょっとおかしく聞こえると思いますが、ずばり暮すことが面白くて、大好きなのです。」という書き出し。
クニエダさんの自分らしい充実した暮らしぶりは、戦前~戦後を過ごした少女時代からのお父さま(小説家・邦枝完二氏)やお母さま、お姉さま(女優)からの影響が大きかったようです。
お母さまとよく一緒に作ったというアップルパイ。粉と冷えたバター一片と玉子の黄身をまぜて、何層も何層もこねては伸ばして重ねて作るアップルパイの描写は、読んでいるだけでやわらかく煮えたりんごの良い香りが漂ってくるようです。


 
すてきな一日の時間割
クニエダヤスエ 著
じゃこめてぃ出版
1983年2月初版

::: 私物 :::











もうずいぶん前にタイトルに惹かれてはじめて購入したクニエダヤスエさんの本です。
これは、紛失してしまったのをまた買い直したもの。表紙のカフェオレボウルを真似して、当時、似たようなカップを見つけてきてお茶の時間を楽しんでいました。

「朝って、すてきじゃありませんか。」
朝起きてすぐのシャワータイム、そして新聞をとって、コーヒーのためのお湯を沸かす。朝の静かな台所にひろがる一杯のコーヒーの香り。こんな風にはじまるクニエダヤスエさんの一日。そのコーヒーを飲みながら、一日のスケジュールをチェックすることが大切で、これをするかしないかで一日の動きに大きくひらきが出るのだそう。それに、仕事のミスも無くなり、時間の無駄も無くなるのだとか。
「おしゃれな夜食ノート」という本にたくさんのレシピが載っていますが、この「すてきな一日の時間割」にも朝食やランチ、お菓子などのレシピが紹介されています。
写真は一枚も無いイラスト(大橋 歩)と文章だけなのに、どれも本当においしそうなのです。
煎りごま入りの簡単にできるクッキーは私も何度も作りました。
また、ベッドリネンなど季節に合わせたベッドメーキングのこと、食器類の手入れと収納、掃除や洗濯、お客さまのもてなし方、お祝いごとの贈りものなど、毎日の暮らしに参考になるお話も楽しめる本です。

いずれの本も絶版ですが、「おしゃれな夜食ノート」以外は、入手しやすい古本です。